世界各地での訴訟

拷問や殺害の事例が毎日のように報告されていますが、中国共産党(中共)の法制度の下では、加害者が免責される状況が続きます。

その理由の一つに、迫害を発動した中共が中国の法廷を管轄し、政治的にデリケートな事例の判決を定期的に操作していることが挙げられます。さらに、迫害の責任者を訴えようとした法輪功修煉者は、逮捕されています。

同時に、中国は国際刑事裁判所に加盟しておらず、また、国連は、ルワンダやユーゴスラビアのように、法輪功に対して犯した「人道に対する罪」のための特別法廷を設置していません。このため修煉者は、海外の法廷で訴訟を起こすようになりました。

2001年、法輪功修煉者たちは、湖北省公安部長である趙志飛氏をニューヨークの裁判所に初めて提訴しました。趙氏は、警察に拘束されている母子を拷問して殺害した罪で起訴されました。

1年半後、弁護士団が法輪功撲滅運動における拷問・人道に対する犯罪・ジェノサイド罪で、撲滅運動を発動した江沢民(元党首)をシカゴの裁判所に訴えました。

2007年までに、中国で迫害を受けた法輪功の被害者を代表して、6大陸で30以上の国内法廷で中国の高官に対する民事・刑事訴訟が、70件以上、提出されました。

国際的に有名な人権派弁護士のグループがこの取り組みに関わっていて、その多くは無償で貢献しています。弁護士の中には、シエラレオネ特別法廷 元議長のジェフリー・ロバートソン弁護士と、チリのかつての独裁者アウグスト・ピノチェトを告発したことで知られるジョルジュ・アンリ・ボーティエ弁護士が含まれています。

中共政権は、地政学的に世界に影響を及ぼしており、これらの訴訟を懸命に一蹴しようと取り組みましたが、訴訟は当初の予想以上の成功を収めました。

まず、米国の裁判所はいくつかの民事訴訟で中国の高官に対して判決を出しました。200111月、最初の訴訟で裁判官は、欠席裁判で趙氏を有罪とし、損害賠償を課しました。200412月には、サンフランシスコの中国人系裁判官が、元北京市長の劉淇氏に拷問罪を下しました。それにもかかわらず、劉氏は、北京オリンピック組織委員会の会長を務めました。

第二に、20047月、中国の陳至立元教育大臣がタンザニアで拷問罪で訴えられ、出廷させられました。その4ヶ月後、ザンビアの裁判所は、訪問中の省知事に逮捕状を発行しましたが、残念ながら、警察が捕える前に国境を越え逃亡しました。その後2006年にカナダでも起訴されました。(中国語記事

最後に、法輪功の法的キャンペーンと説明責任に直面する見通しが、地上での抑止効果をもたらしていることを示す逸話があります。

しかし、訴訟は「台頭する権力」の側に着こうとする国の権益が絡む課題にも直面することがしばしばでした。このため、米国の執行部は、江沢民の免責を勧告しましたが、この動きは、人権派のトム・ラントス議員などに抗議されてきました。デンマークの検察当局も同様に、拷問禁止条約における義務を果たさずに公安局の元大臣の逮捕を控えました。

こうした障害にもかかわらず、正義への追求は続きます。画期的な展開として、スペイン(記事)とアルゼンチン(記事)では、中国の高官である賈 慶林と羅幹に対して、それぞれジェノサイド罪で提訴しました。20076月、香港では新たな提訴がありました。原告は、中国の本土で同じ役人を訴えようとして5年間収監され拷問を受けていました。

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