なぜ迫害されているのか?

中国古代の修煉法である法輪功(法輪大法とも呼ばれる)は、1992年に李洪志氏によって一般に紹介され、1990年代を通じて中国で人気を博しました。1999年までには、7000万人以上の人々が法輪功を学んでいました。その核心理念である真・善・忍は中国の人々の心を掴み、各地で法輪功修煉者の優しさや勇気ある行為についてのニュースが中国全域で取り上げられるようになりました。

では、なぜ1999年7月20日、中国政権は暴力的な弾圧で法輪功を標的にしたのでしょうか。主な理由は三つあります。中国共産党の幹部たちは、民衆の心をコントロールできなくなることを恐れていました。法輪功の指導理念は、文化大革命の時に党が強制的に中国の人々に押し付けた共産主義イデオロギーとは相容れないものでした。さらに、党幹部の中には、法輪功を格好の標的と見なして、自らの政治的な昇進のための道具として法輪功を誹謗中傷する者もいました。

幅広い人気

中国国家体育総局は、1999年には少なくとも7000万人が法輪功を修煉していたと推定しています。これは、当時の中国共産党(中共)の党員数を上回っており、党の幹部は危機感を抱きました。

党から独立した立場

共産主義は権威主義的なイデオロギーであり、絶対的です。その目標は、宗教や精神性を含む公私の生活の隅々までコントロールすることです。中国では、教会、寺院、健康維持の方法さえも中共の管理下でのみ活動が許されていますが、法輪功は共産党の思想と管理から独立して活動しています。党の指導者たちは、このような独立性を容認できませんでした。

法輪功の理念と中国共産党のイデオロギー(公式には無神論であり、マルクス主義である)との間には大きな違いがあり、党の上層部の一部の人たちはそれを許容できませんでした。法輪功は、佛、道、神の存在を信じ、自己を厳しく律することで神の領域に達することができると説いています。そのため、一部の党の指導者たちは、法輪功は党のイデオロギーと矛盾していると見なしました。また、法輪功の確固とした道徳規範が、社会支配のために党が用いる、凶暴なレーニン主義の戦術を弱体化させることを恐れました。

党首の政治的野望

迫害情報を収録する明慧ネット(jp.minghui.org)によると、当時の党首、江沢民は、中央政治局の委員の忠告を受け入れずに、個人的に弾圧運動に着手・計画・実行しました。江沢民は法輪功の絶大な人気に激怒し、法輪功は臣下の自分に対する忠誠心を弱めると見なしました。彼は弾圧開始後、3ヶ月以内に法輪功を根絶できると思っていました。

江沢民はまた、自分の権威を高める機会と捉えた、と中国の専門家は見解しています。法輪功を「国家の敵」に作り上げることで、自らが主導権を握る「闘争」に国民を動員し、自らの権力を固めることを望んでいました。2000年7月の記事の中で、当時のCNNの中国専門シニア・アナリスト、ウィリー・ラム氏は、江沢民は「自分への忠誠を促進するために大衆運動を利用しているようだ」と記述しています。