2020年、1万5,235人の法輪功修煉者が迫害の対象に

2020年、中国がコロナウイルスに苛まれる中でも、中国共産党(中共)は、法輪功(法輪大法)への迫害の手を緩めることはなかった。法輪功とは、真・善・忍の理念に基づく精神修養法である。

新型コロナウィルス感染症の最中でも法輪功への迫害の手を緩めない中国共産党

Minghui.orgが収集した情報によると、2020年に連行された修煉者の数は6659人。嫌がらせをうけた者は8576人。連行された者は、昨年の6109人から横ばいだが、嫌がらせを受けた修煉者数は、昨年の3582人に比べて2.4倍増加した。

2020年に迫害の対象となった1万5235人のうち、3588人の自宅が荒らされ、537人が洗脳センターに連行された。

また、刑期を言い渡された修煉者は622人で、2020年に逮捕された6659人の一部も含まれている。また2020年にはさらに83人が死に至るまで迫害された。詳細は別の報告書で上げている。

コロナウイルスの発生後、全国的なロックダウンが敷かれたため、2020年1月は、迫害件数が最も少なかったと報告されている。しかし、その後の数ヶ月間、迫害件数は着実に増加し、4月に小さなピークを迎え、7月には大きなピークを迎えた。 

迫害件数が4月と7月に増えることは、これまでの長年の傾向であり、当局は4月25日と7月20日という2つのデリケートな記念日に弾圧を強化してきた。1999年4月25日は、約1万人の法輪功修煉者が北京にある国家陳情局の外で穏やかな抗議を行った日である。中国共産党はその後3ヶ月も経たない7月20日に、法輪功に対する迫害を正式に開始した。

2020年前半のロックダウン期間中、多くの修煉者が、迫害の隠蔽とコロナウイルス発生の隠蔽が同じやり方であることを暴露することに取り組んだため、標的にされた。

湖南省のある女性は、パンデミックに関する検閲されていない情報を掲載した海外サイトのQRコード付きポスターを貼っていたことが発覚し、自宅から離れて生活することを余儀なくされた。寧夏省の医師は、3月と6月の2回、情報資料を配布したとして逮捕された。湖北省の9歳の少女は、近所で情報を掲示しているところを警察に発見され、嫌がらせを受けた。

大規模な「ゼロアウト」ハラスメントキャンペーン

下半期に入り、全国的に法輪功を全滅させようとする「ゼロアウト運動」の影響で、嫌がらせ件数が連行者数を上回り始めた。2017年には「ドアをノックする」嫌がらせ運動があり、2018年のいわゆる暴力団取締まり運動は、修煉者を対象としたものであった。これらと同様に、新たな「ゼロアウト運動」は、ブラックリストに登録されているすべての修煉者を訪問し、法輪功を棄却させようとするものである。

全国を席巻している「ゼロアウト運動」における最初の嫌がらせの事例は、2020年3月。貴州省の政法委員会が、2020年から2023年の間に、すべての修煉者を完全に「転向」させる命令を出したと報じられた。彼らの命令は、北京の中央政法委員会が発表した 「法輪功修煉者の数を減らす問題について」と題する文書(101号)に基づくもの。

政法委員会は公安・司法・検察の制度を監視する司法外機関であり、法輪功迫害においては、迫害政策の仲立ちとして中心的な役割を果たしている。

各地域の610弁公室と政法委員会は、迫害を監督する役割を担っており、地元のコミュニティの役人と警察に、修煉者に圧力をかけるように命じた。当局は、従わない修煉者を洗脳センターに入れ、修煉をやめるように説得しなければ職を失うと家族を脅した。広東省と海南省では、法輪功修煉者を通報した者に10万元の報奨金を与えると通達した。

一部の警官は、修煉者の家族に嫌がらせをし、家族に修煉者を敵視させるように、修煉者の子供たちに大学教育を受けさせないと脅迫した。

嫌がらせは2020年11月と12月にさらに激化した。3月から10月にかけて月平均706件の報告に対し、11月と12月にはそれぞれ1285件、1358件とほぼ倍増した。また、洗脳センターに修煉者が連行された件数は、3月と10月は月平均が40件だったが、11月と12月は110件に跳ね上がった。

全国的な迫害

2020年の迫害は、29省と304都市と北京などの中央管理都市にわたった。河北省が最も多く(2,373件)、黒龍江省、山東省、吉林省、四川省、遼寧省が続いた。パンデミックの震源地である7番目の湖北省では、合計589人の迫害件数を記録した。他の18省でも3桁(105人から480人まで)の迫害件数が登録されている。残りの4つの省では4件から87件が報告された。

2020年には、多くの高齢の修煉者が標的となった。2020年に逮捕または嫌がらせを受けた65歳以上の修煉者は1188人(7.8%)で、2019年の583人の2倍となった。70~80歳では、2020年に419人の修煉者が逮捕された。17人は90歳代で、最高年齢は94歳だった。

2020年には、多くの逮捕された修煉者が残忍な拷問を受け、少なくとも6人が死亡している。1人の女性は、5月13日に逮捕されてから4日後に留置所で死亡した。別の女性は6月18日に逮捕後、数時間で死亡した。さらに2人の女性の修煉者が、6月下旬に逮捕され、数日後に殴り殺されている。

かつて、11年間、収監されていた男性の修煉者は、8月に再逮捕されてから1ヶ月半後に死亡した。もう一人の男性の修煉者は、集団連行されてから2か月後の10月に、拘束中の拷問により死亡した。

対象となった1万5235人の修煉者のうち320人は、大学教授、高校教師、弁護士、医師、エンジニア、芸術家、ジャーナリスト、通訳、作家、ダンサーなどの各界のエリートだった。

少し前に法輪功を始めたばかりの25歳の写真家が、法輪功のチラシを配ったとして逮捕された。77歳の女性は、バスの中で人々に法輪功について話したことを録音され、逮捕された。他の人は、法輪功をグループで学んでいたために逮捕された。

嫌がらせ以外に、集団連行が数十件報告されている。6月14日、広東省揭陽市の修煉者18人。7月26日、陝西省西安市の修煉者10人以上。10月27日、湖南省長沙市の修煉者21人。12月11日から13日にかけて黒龍江省鶴岡市の修煉者80人以上など。

7月26日に西安で逮捕された修煉者のうち、3人が80代、4人が70代後半、1人が60歳前後であった。

雲南省昆明市の大人数の家族が、10月1日の中秋節前後の7日間で2回逮捕された。中秋節は家族の再会を祝う伝統的な祝日である。

逮捕され、拘束中に拷問を受けるだけでなく、多くの修煉者の日常生活に支障がもたらされている。身の危険にさらされ、事業経営も困難となり、健康が損なわれている。

法輪功を修めていることを理由に解雇された技術者は、2年の刑期を終えて釈放された直後に、強制転居を余儀なくされた。肺がんと診断された退職した医師は、未だに身柄を拘束されている。

修煉者自身だけでなく、その家族も嫌がらせ、逮捕、尋問の対象となっている事例もある。ある修煉者の4歳の孫は、祖母が法輪功を棄却することを拒否したことを理由に、幼稚園への入園を拒否された。

逮捕を逃れたある女性修煉者の息子は、警察署で人質にとられた。母親が法輪功を棄却する声明文に署名することを拒否したため、息子の診療所が強制的に閉鎖されたという事例もある。

ある青年は、修煉者の両親の迫害を目の当たりにして育ってきた。迫害により父を失い打ちひしがれていたところ、母と共に逮捕された。この青年は釈放されたが、今も拘束され刑期の判決を待つ母の釈放を求めている。

一部の修煉者は、数十年に及ぶ監禁と拷問の苦しみを経たあとでも、再び標的にされている。寧夏省銀川市の女性は、13年間も拘留された後、再び逮捕された。また、黒竜江省鶴崗市の別の男性も12月中旬に警察の立入り捜索で逮捕され、15年間拘留されている。

経済的な迫害

逮捕された修煉者401人から、合計728万4097.56元が恐喝または没収された。1人当たり平均1万8,165元である。さらに161人の修煉者は2020年に年金の支給を停止された。そのほとんどは、修煉を棄却しなかったために収監された期間に受け取った年金を払い戻すように強要された。中国の労働法でも社会保険法でも、収監中の年金停止は規定していない。

遼寧省撫順市に住む張文卿さんは、6月に4年の刑期を終えて帰宅して初めて父親が一年前に亡くなったことを知り、ショックを受けた。さらに大きな打撃は、27年の勤務歴が雇用者に消去されたため、年金の支給がなくなったことだ。現在、52歳で、かつて音楽の教師だった張さんは、80歳代の母親と一緒に、途方もない財政難に陥っている。

遼寧省大連市の任海飛さんは6月26日の逮捕時に、現金50万元と20万元以上に相当するコンピューター用品を没収された。拘束中に虐待を受け、心臓と腎臓の不全に陥った。

湖北省武漢市の趙喜慶さん(85歳)が7月14日、自宅で逮捕された。警察は自宅を物色し、現金25万元を没収した。翌日には釈放されたが、警察は返金を拒否した。

対象となる高齢者

2020年は特に、高齢の修煉者への迫害が横行した。高齢にもかかわらず、逮捕され、殴打、虐待される者もいた。

身体的虐待と隔離拘禁

2020年8月14日、80歳の陳桂芬さんは、法輪功の主要書『轉法輪』を胸に抱きしめ、逮捕された。警察は四川省彭州市の陳さんの手と足をつかんでパトカーに引きずり込み、警察署に連行され、午後6時頃釈放された。2週間経っても警官がつねった跡が手に残っていた。

2020年9月4日、陝西省西安市の娘の自宅で重慶市の雷正夏さん(74歳)が逮捕された。警官が取調室の隅に雷さんを押しつけ、胸を殴り、手のひらの端で首を殴り、壁に頭を叩きつけた。別の警官がレイさんの足を膝で殴ろうとしたが、一緒に逮捕された雷さんの妻が警官を止めた。

遼寧省本渓市の趙鳳蘭さん(82歳)が2020年6月21日、自宅で逮捕された。歩行や会話に障害があったため、警官は無理やり彼女を階下に運び下ろした。警察署では彼女を椅子に乗せられ、2階の取調室まで運び込まれた。

警察は午前10時から午後4時まで、趙さんを尋問した。警察は趙さんが以前逮捕された時の保釈条件に違反していると告発し、指名手配リストに載せた。趙さんは取調べに怯え、当日、家に連れ戻された後も、衰弱したままだった。

新疆ウイグル自治区石河子市の嚴宜學さん(90歳)は、5月22日の中共の政治会議前に逮捕され、8月上旬まで隔離拘禁されていた。釈放時には、ひどくやせ細り、ひどい腰痛に襲われていた。

四川省彭州市に住む73歳の周善會さんも、2020年9月8日に法輪功を修めたとして13回目の逮捕を受け、隔離室に収容された。

年金の停止

身体的虐待に加えて、高齢の修煉者に打撃を与えるための迫害方法は、年金の停止である。

上海の尤秀英さん(76歳)は、2020年11月下旬、社会保障局から、法輪功のために収監された記録書類を持参して、5日以内に出向くようにと通知された。2016年に1年間の服役を終えたことを期限内に実証しない場合、年金が停止されると警告した。

5日間の期限は言い訳に過ぎず、来ても来なくても当局が自分の年金を停止する可能性はあるとわかっていた。 それでも尤さんは社会保険局に出向き「私は迫害の流れ作業にいるようです。私は違法に逮捕され、違法に判決を下されました。今度は私の年金が違法に取り上げられることに直面しています」と言った。

尤さんの訴えにもかかわらず、社会保険局の職員は、上司の命令に従わなければならないとして、尤さんの年金を停止した。

修煉者が収監中に受け取った年金を返済するために年金を差し止められた事例は数多くあるが、過去の刑期を理由に社会保障局が年金を差し止めたここ数ヶ月の事例としては2件目である。一件目は、四川省遂寧市の楊和江さん(82歳)で、2020年9月から年金の支給を停止されている。

魏秀英さんは、地元の社会保障局に年金を差し押さえられて訴訟を起こし、勝訴したにもかかわらず、社会保障局は支払いの再開を拒否した。代わりに、社会保障局は法輪功を修煉している間に受給された10万元以上の年金を返済するよう圧力をかけている。地元の裁判所も社会保障局の側に立ち、返済を強要するために彼女の銀行口座を凍結したため、魏さんには、さらにプレッシャーがかけられている。

迫害がもたらす家族への影響

多くの高齢の修煉者と配偶者は、その日暮らしの生活を強いられており、修煉者に対する逮捕や嫌がらせは、家族にとてつもない困難をもたらしている。

山東省済南市の陳蘭芝さん(85歳)は2020年2月20日、若い男性に法輪功に関する小冊子を渡したことで逮捕された。警察は彼女の自宅に立ち入り、書籍やその他の所持品を没収した。

陳さんは同日、釈放されたが、夫は警察の家宅捜査に怯え、病に倒れた。数ヶ月間寝たきりの状態が続き、2020年9月頃に亡くなった。

重慶市で長年法輪功を修めてきた成德富さん(73歳)は2020年3月7日に逮捕され、顔を何度も平手打ちされ、2本の歯が抜け、腕を負傷した。この事例は警察から検察官に提訴されたが、検察官は不起訴処分とした。12月3日、成さんが裁判官と面会する2日前、警察は彼の妻を逮捕し、彼と別れるように脅した。妻は自分が巻き込まれることを恐れ、実家に戻ったため、暴行を受けにもかかわらず程さんは介護者のいない生活を余儀なくされている。

曹有嶺さん(40歳)と母の陳燕さん(71歳)は、それぞれ2016年と2018年の別の時期に2年の刑期を受けた。曹さんが釈放されてから18か月後の2020年5月10日、陳さんも釈放されたが、わずか3カ月後、曹さんは息子たちを訪問する途中で再び逮捕された。娘の釈放を求めたため、陳さんも9月21日に再び逮捕された。現在、介護が必要な78歳の夫は、一人暮らしで苦労している。

家庭の悲劇、迫害が子どもたちにもたらす影響

1999年、中国共産党が法輪功迫害を命じたとき、推定1億人の修煉者だけでなく、その家族も迫害の標的とされた。過去22年間、多くの修煉者は逮捕・拷問・投獄され、家族は筆舌しがたい苦悩や苦痛に耐えてきた。修煉者のもとを去った者もいれば、政府からのプレッシャーで健康が悪化した者もおり、信念を貫いている大切な家族のために立ち上がった者もいる。

吉林省吉林市の金敏さんは、9月11日にタクシーの運転手に法輪功の話をしたことで逮捕された。父親(80歳代)は、娘について尋ね歩いているが、あいまいな情報しか得られず、面会は拒否されている。

江蘇省常州市の武留美さんの父親は、2020年4月16日、警察の家宅捜査に怯え、末期状態だった病気が悪化し、1ヶ月後に亡くなった。武さんは翌日に釈放されたが、当局からの嫌がらせは続いた。12歳になる娘は、尋問に来た検察官に「ママは何も悪いことをしていないし、誰かを傷つけたこともありません。ママの刑期は受け入れられません」と言ったことがある。

2020年7月15日午前6時頃、警官が于愛麗さんの自宅に押し入り、于さんを逮捕した。于さんが逮捕・拘束されたことで、数年前に脳卒中を患い寝たきりの夫が生活していくことが非常に困難になった。

家族の中で迫害されたのは于さんだけではない。母親の梁徳芹さんも、妹の于愛吉さんも迫害されてきた。高齢の梁さんは2015年の逮捕・釈放後、廊下で足音が聞こえたり、ドアをノックする音が聞こえたりするたびに、恐怖から気絶してしまう。

于愛吉さんは、2016年1月21日に刑期3年の判決を受けた。父親は、刑期を知らされた後、脳梗塞を患い他界した。わずか1週間後、夫は迫害に巻き込まれないように離婚し、財産をすべて自分の物にした。離婚して間もなく、于さんは解雇を知らされる。うつ病を患うようになり、釈放後も引きこもりの状態にある。人と接触することも仕事することもできない。

大人がトラブルに対処している間に、子供も傷つく

2020年11月、新疆ウイグル自治区石河子市の住民3人が逮捕され、洗脳センターに連行された。家族や子どもたちは悲惨な状況に置かれている。

警察は、信念のため逮捕・拘束された経歴のある展英さんの娘、鄒暁宇さんは、洗脳センターに収容されている間、殴られ、長時間立つことを強いられた。プレッシャーに耐えられず、何度も自分を痛めつけるようになった。一時期は動けなくなり、無言になったこともあった。釈放されてから徐々に回復したが、今でも無言で、無意識のうちに震えたり、落ち込んだときに足の力が入らなくなる。

Wang Xiaoyingさんと夫のBao Fengさんが逮捕された後、子供が午後9時に警察署に父親を探しに行ったが、応じてもらえなかった。子供は泣き出し、午前2時まで警察署にいた。警察は子供を家に連れて帰り、夫婦の衣類を荷物にまとめた。子供はよく逮捕者の悪夢にうなされ、泣きながら目を覚ましている。

現在イギリス在住のファッションデザイナー、于銘慧さんは、両親の迫害を目の当たりにして育った。彼女の父、図書館司書の于宗海氏は、2001年に「法輪大法は良い」という横断幕を掲げたことで、15年の刑を宣告された。母親の王楣泓さんは、黒龍江省地質調査研究所の上級技師で、2003年に11年の懲役を宣告され、11月23日に再び逮捕された。

1999年の迫害が始まる前の于銘慧さんと母親の王楣泓さん。

広東省茂名市の元エンジニア、黃柱峰さんは現在も拘束中で迫害に直面している。当局は彼の家主に、賃貸契約を強制的に破棄させ、妻の謝月珍さんと15歳の息子に対して数日内に家から出るように命じた。中学3年の息子は学校に行くことを拒否している。

別の事件では、警察が孔令坡さんの10歳の孫をパトカーに押し込み、叔父(孔令坡さんの下の息子)の家に行くように命じた。少年はこの体験から心傷を負っている。

明慧ネット英語版 2021年1月18日より翻訳(https://en.minghui.org/html/articles/2021/1/18/189976.html)

関連記事:明慧日本 2021年1月25日 (https://jp.minghui.org/2021/01/25/73069.html