世界に広がる宗教弾圧の魔手…中国共産党「新悪の枢軸」の盟主に=元米信教自由大使

キャプション:北京の天安門広場(tomislav domes)

キャプション:北京の天安門広場(tomislav domes)


米ワシントン・タイムズ(英語:2024年5月13日付)オピニオン記事要約

中国が「新悪の枢軸」の盟主となり、世界各地で宗教弾圧を広げている。中国共産党は全ての宗教を弾圧しているが、特に法輪功に対しては強い憎悪を抱いており、臓器収奪など残虐な拷問を行っている。この憎悪は今や国境を越え、ロシアでは最近、平和な法輪功に対する公然とした弾圧が行われた。プーチン大統領が近く予定している訪中の際、習近平への手土産になるだろう。

ニカラグアでも同様の動きが見られる。オルテガ大統領が台湾との国交を断絶して中国と国交樹立した直後から、カトリック教会やプロテスタント教会への弾圧が始まった。中国との「限りない」パートナーシップの一環として、オルテガ政権は信仰コミュニティーへの平和的な共存を放棄したのだ。

中国共産党は、信仰心を共産党への脅威と見なし、国家による管理と服従を求めている。世界中に広がる中国製の監視システムにより、宗教指導者の動向を監視し、必要に応じて逮捕することが可能になる。中国の目指す世界秩序は、人権より独裁者の権力と利益が優先される暗黒の世界であり、我々はその悪夢に向かって歩んでいる。

中国共産党の考える世界では、個人の魂は存在せず、人権は集団の利益に従属するものだ。独裁者が集団の利益を決定し、それに背けば投獄されるか、忽然と姿を消すことになる。これはアメリカン・ドリームの真逆であり、世界規模の悪夢だ。かつての独裁者が想像だにしなかった監視ツールが、今や中国から極めて安価に提供されており、これらが中国共産党の世界支配の野望に沿ったものだ。自由と信仰の危機に瀕している今こそ、我々は目を覚まし、この脅威に立ち向かわねばならない

著者

サム・ブラウンバック

宗教の自由のための全米評議会議長。カンザス州選出の元上院議員。2018年から2021年まで国務省の国際宗教自由大使を務めた。