米国務省、国際宗教自由報告書で法輪功迫害を強調 50回以上言及
米国務省の建物(英文の元記事より転載)
米国務省は6月26日、2023年度版『国際的な信教の自由に関する報告書』(英語原文)を発表した。「中国」の章では法輪功修煉者が直面する権利侵害について50回以上言及し、この問題を強調した。
報告書は、国務省の「国際的な信教の自由」事務所と世界中の米国大使館が協力して作成した。非政府組織(NGO)、ジャーナリスト、学者、人権監視団体などからの報告を基にしている。
ブリンケン国務長官は記者会見で、宗教の自由とは「人間であることの本質であり、自分達よりも大きな何かを探り、弾圧を恐れることなく信じるか信じないかを自分で決めることの自由を意味する」と強調した。

報告書を発表する記者会見で語るブリンケン米国務長官
「信教の自由」担当フセイン特任大使は、宗教の自由の主要な侵害者として中国共産党政権の存在を指摘。「今年は法輪功修煉者に対する中国共産党の弾圧から25年となる」と強調した。記者会見には、数回にわたる刑期・拷問を経験し、未だに収監されている夫との再会を望む法輪功修煉者の張玉華 博士も参席した。

「信教の自由」担当フセイン特任大使と法輪功修煉者で迫害の生存者、張玉華 博士。
「根絶」のための活動、今なお続く
報告書によると、中国共産党政権は、法律の枠を超えた機構を通じて法輪功を根絶しようとしている。修煉者たちは恣意的に(警察により)拘束され、(裁判で)有罪判決を受け、(収監先で)拷問を加えられ、信念の放棄を強いられている。
また、同報告書は、修煉者755人の拘束、30の省と自治区での3457人の逮捕、2,749人への嫌がらせ(襲撃、強制洗脳班への出向令、強制失職、その他の差別)を記載している。
報告書では以下のように複数の法輪功修煉者の事例を取り上げている。「陳陽、曹志民、劉愛華、周德勇、孟昭紅、孔慶平、侯利軍、許那らが拘束されている。1999年から2014年まで投獄されていた法輪功修煉者の王志文は引き続き出国禁止と報告されている」
臓器収奪
「当局が宗教組織の人員、特に法輪功とウイグルに対して臓器提供を強制しているとの報告について、市民団体は引き続き懸念を表明している」と報告書は述べた。
このほか、ニューヨーク市弁護士会の『人体臓器供給:臓器収奪における倫理的見解と倫理違反に関する報告』を引用して、「中国が良心の囚人からの強制臓器摘出を継続しているという十分な証拠がある」と記した。
同報告書の著者の一人は、『バイオエシックス・ボイス』誌で、中国では「宗教的信念の実践を理由に投獄された人々や少数民族が臓器収奪の対象となっている証拠がある」と記述。「十分な麻酔をかけずに、生きている人間から臓器を摘出、臓器摘出の目的での処刑場への召喚、臓器入手を目的としての致死、生存している囚人からの眼球摘出、生存している囚人の手術室への連行」という目撃者の証言を併記している。
ネット上の情報共有が原因で懲役
修煉者は、中国共産党政権が発したものではない情報を共有しただけで糾弾される。報告書は、何炳鋼氏と婚約者の張義博氏の事例に言及した。2023年6月12日、裁判所は「oGate」と呼ばれるソフトウェアを使用して政府のインターネット検閲体制を回避したとして、それぞれ6年と5年の懲役刑を言い渡した。
法輪大法情報センターが確認した判決文によると、法輪功を修めていることが判決の理由。さらに、上海当局は国家安全保障上の懸念を理由に、弁護士が要請した彼らへの面会も拒否している。
国務省に加え、2人の事例は「中国問題に関する連邦議会・行政府委員会」(CECC)でも文書化されている。

法輪功修煉者の張義博さん(左)と何炳鋼さん(右)。
女性と子供
報告書は「対話基金」を引用して、「過去10年間で中国の刑務所に収監される女性の数は男性よりも急速に増加しており、(政権により)異端とされる宗教団体における犯罪者としての事例では、女性の収監者数が不相応に多い」
「対話基金」が「国連女性差別撤廃委員会」に提出した報告書では、2022年後半に15年の刑を宣告された匿名の女性修煉者の事例を挙げている。中華人民共和国 刑法第300 条(法の執行を覆すためにカルトを組織し、利用することを犯罪とする)が適用され有罪となった修煉者の中でも最長に挙げられる。(参照動画 中国共産党の虚言:カルト?)
報告書はまた、法輪功やその他のグループを標的とした悪印象を植え付けるプロパガンダについても取り上げている。特に学校やオンラインでの漫画やアニメーション動画を通じて子供たちに宣伝を行ったという。
中国民主活動組織チャイナエイドは2023年3月、浙江省温州市の学校が親に「家族が宗教的信念を持たないことの誓約書」への署名を要求したと報告した。この誓約書は特に、親が法輪功を修煉しないことを要求していた。
国境を越えた弾圧
報告書はさらに、監視、脅迫、嫌がらせ、代理人による強制、外交官ルートの圧力を含む中国共産党政権による国境を越えた弾圧行為も強調している。20年以上にわたり、中国国外の法輪功修煉者がこれらの弾圧行為の標的となってきた。
米国では、米国在住の修煉者が中国共産党の標的になっている。法輪大法情報センターが5月に発表した報告書によると、党当局は米国の大学に通う修煉者に対して、物理的およびデジタル上の監視を行い、さらに中国に残された家族に対して嫌がらせ、拘束、迫害を与えることで、米国での法輪功の活動から遠ざかるようプレッシャーをかけている。
中国共産党は、法輪功を国外で弾圧するために、現地に人材を派遣している。ニューヨーク東部地区の連邦検察官は4月、中国共産党の公安部の一部として未登録の「中国海外警察」に従事していた2名を逮捕。アンチ法輪功活動を指示していた。さらに5月には、中国共産党の未登録エージェントとして行動した2人の被告人を起訴した。2人は、法輪功関連組織の免税資格を取り消すよう内国歳入庁の職員に賄賂を贈ろうとした。
中国共産党が米国で行ったもう一つの重要な国境を越えた弾圧には、多くの修煉者からなる舞台芸術の「神韻芸術団」を狙ったものがある。神韻の公演は中国での法輪功に対する弾圧と中国伝統文化を描いているため、党は公演を妨害した。参照:関連英語記事(神韻を狙う中国共産党)
法輪大法学会の報告によると、中国共産党は大使館職員などを通じて、複数の国の公演劇場の職員に圧力をかけ、舞台の利用を拒否したり、公演をキャンセルするよう求めた。これらの試みは、大半が失敗に終わっている。
米国外でも、中国共産党はモルドバ、ロシア、ベトナムで法輪功を干渉している。
モルドバでは、2017年に中国共産党代表団が訪問した際、首都キシナウの市長により、法輪功の平和的集会が禁じられた。
ベトナムでは、共産党が中国共産党に倣い、政府のウェブサイトで法輪功を「邪悪な宗教」と呼び、法輪功を共産主義国家と対立する有害な政治的実体として描いた。同様にロシアでは、国家が法輪功を「望ましくない」と指定し、修煉者を標的にした、調査、拘留、身体的虐待などの行為が含まれている。






