ドイツ:父親の釈放を求める法輪功学習者

2023年7月のミュンヘンでの集会で、迫害されている両親の救出を訴える丁楽斌さん

2023年7月のミュンヘンでの集会で、迫害されている両親の救出を訴える丁楽斌さん

ドイツ、スイスのドイツ語圏、チェコ共和国、オーストリアの法輪功学習者(以下、学習者)が、2023年7月15日にミュンヘンに集まり、反迫害活動の24周年を記念する集会とパレードを開催した。この場で、今年5月に中国にいる両親が中国共産党当局に不法逮捕された丁楽斌(ディン・ラビン)さんが、両親の救出を訴えた。

丁楽斌さんの父・丁元徳(ディン・ユアンデ)さんと母・馬瑞梅(マ・ルイメイ)さんは、山東省日照市に在住。2023年5月12日に違法逮捕された。日照市では同時期に法輪功学習者70名が違法に逮捕されている。

欧州議会、ドイツ議会、ベルリン州議会の多くの議員や国際人権協会などの人権団体が、呉懇・駐ドイツ中国大使、林武・山東省党委員会書記、日照市党委員会の前書記の張恵に書簡を送り、丁楽斌さんの父・丁元徳さんと母・馬瑞梅さんへの迫害を直ちに停止するよう要求した。

両親の救出を求める楽斌氏のポスター

BitterWinter誌のインタビュー記事

以下はBitterWinter誌に掲載された丁楽斌さんのインタビュー記事(英語原文)からの抜粋要約。

2023年5月12日の早朝5時から6時の間に、10人以上の警官が夫妻の茶畑を襲撃した。私服警官だったため誰も気づかず、なぜ彼らが来たのかを予想することすらできなかった。警官たちが室内を捜査しているちょうどそのときに、楽斌さんがドイツから母に電話を入れていた。「悪い人たちが家に入ってきた。手錠をかけられた。手がしびれている」と言ってわずか33秒の会話は切られた。

それ以降、両親とは連絡がとれなくなった。音信不通となり、どこに拘束されたのかもわからなかった。彼はすぐに公の場に出ることを決意し、米国を拠点とする国際的なNGO「法輪功迫害を追跡調査する国際組織(WOIPFG)」に助けを求めた。2006年1月20日にニューヨークで設立された団体だ。WOIPFGは即座にボランティアを組織し、中国の警察署に直接電話で問い合わせ、夫妻を直ちに無条件で釈放するよう性急に促した。

さらに多くの活動家が夫妻の救出活動に協力した。国連経済社会理事会(ECOSOC)の資格を持ち、独フランクフルトに本部を置くNGO「国際人権協会」(International Society for Human Rights)が、駐ドイツ中国大使の呉懇、中国外交部部長の秦剛、中国共産党山東省書記の林武、中国共産党山東省日照市書記の張恵に宛てて抗議文を送った。

外部からの圧力が功を成し、5月14日、馬瑞梅さんは保釈。しかし、夫の丁元徳さんは拘留されたままである。6月13日以降、日照市での拘留が判明したが、翌日の6月14日、2人の警官が馬瑞梅さんを訪れ、息子の丁楽斌氏が行っている海外での救出活動のために丁元徳さんを刑務所に入れたと威嚇した。中国当局は、自分たちの違法な迫害が海外で国際的な注目を浴びることを非常に恐れている。

この事実に確信を得て、丁楽斌氏は、居住国のドイツだけでなく、国外でも支援が見込まれる個人、そしてドイツに拠点を置く「脅迫被害者協会」(Gesellschaft für bedrohte Völker-International)のようなNGOと協力し、中国当局にできる限りの圧力をかけ続けている。その結果、欧州議会、ドイツ連邦議会、ベルリン州議会(ベルリン都市州には、独自の立法機関がある)の議員数名、さらにチェコ議会とベルギー下院の議員数名が、前述の呉懇、林武、張恵に書簡を送り、丁元徳さんを今すぐ釈放するように要求した。丁楽斌氏は、最近ドイツのオラフ・ショルツ首相にも手紙を出した。

メディアの支援

Bitter Winterの特集記事だけでなく、チェコでは、Farum24誌、Denik日報紙、コラムニストのJan Sinagl氏の記事など、複数のメディアを通して丁元徳さんの逮捕が報道されている。

ドイツの「法輪大法情報センター」の活動

ドイツの「法輪大法情報センター」では、ハガキか手紙をドイツの中国大使館または日照市党委員会の現書記宛に投函し続けるという救出キャンペーンを開始した。「一枚一枚の手紙が私の親を救出するだけでなく、今なお続く中国での法輪功迫害に終止符を打つ助けになります。中国共産党は、中国で法輪功学習者が置かれている本当の状況が国外で知られることを恐れています」と丁楽斌氏は語る。

世界的な救出キャンペーン

世界中からドイツの中国大使館に抗議の手紙が届くように、英文の手紙も用意している。(内容確認のための注意書き付き邦訳はこちらへ)。また、日照市党委員会の現書記(5月の法輪功学習者逮捕に関与した前書記は最近、青島市党委員会の副書記になった)への英文に中国語訳を添えた手紙も用意している。(内容確認のための注意書き付き邦訳はこちらへ)。この記事を通して、日本からの声がドイツや中国に届くことを期待したい。

なお、70名の法輪功学習者の違法逮捕に関与した公安局長の住所・氏名(中国語と英語)は下記の通り。

李刚
日照市公安局局长
日照市公安局
山东省日照市东港区五莲路339号
邮编:276800

Mr. Li Gang
Police Station Rizhao
Wu Lian Lu No. 339
Donggang District
276800 Rizhao City, Shandong