ニューヨーク・タイムズの法輪功に対する誹謗中傷 証拠はなく、現実を歪めている

米ニューヨークタイムズ本社(ajay_suresh/CC BY 2.0)

米ニューヨークタイムズ本社(ajay_suresh/CC BY 2.0)

米ニューヨーク・タイムズ(NYT)は8月、神韻芸術団および法輪功の精神修養、そして創始者に関する批判記事を2本、発表した。法輪功を取り上げた2本目の記事は、中国における迫害に関する、不正確で著しく偏った情報が多い。

米ニューヨーク・タイムズ(NYT)は8月、神韻芸術団および法輪功の精神修養、そして創始者に関する批判記事を2本、発表した。法輪功を取り上げた2本目の記事は、中国における迫害に関する、不正確で著しく偏った情報が多い。

法輪功学習者は100か国以上で数千万人に上り、中国では何百万人もの罪のない信者が致命的な迫害に直面している。現在および過去の神韻の出演者は1000人以上いる。

しかしNYTの最初の記事は、主に神韻に対して明らかに恨みを持つ25人の話に基づいており、そのうちの何人かは中国共産党政権による法輪功と神韻芸術団を「消滅させる」ための広範な偽情報キャンペーンとのつながりが知られている。同紙は、彼らの説明を引用して、法輪功全体を偏った世俗的な視点で描写した。

法輪大法インフォメーションセンターのレヴィ・ブラウダ代表理事は、これらの記事について次のように批判している。

「NYTの偏向姿勢は明白である。記者たちは、法輪功を『カルト的』に描写するという彼らの意図に合う引用や証言者、専門家を意図的に選んでいる。さらには、中国での迫害の規模と深刻さを軽視している」

ブラウダ氏はさらに続ける。「我々が接触したインタビュー対象者の中には、神韻での経験を肯定的に評価する人や、記事で引用された人々の主張と矛盾する体験を語る人もいた。しかし、そうした声の多くは描かれていない。このような一方的なジャーナリズムのアプローチを取れば、どんな信仰、組織、企業でも、実態とは無関係に悪者に仕立て上げることができてしまう」


歪曲と省略には以下のようなものがある。こうした報道は中国共産党の宣伝に利する可能性がある。

NYTの報道の問題点:

  1. 法輪功の教えを文脈から切り離して引用

    NYTは法輪功の教えを広い文化的背景から切り離し、比喩的表現を文字通りに解釈している。例えば、アジアの信仰体系に「地獄」などの西洋的概念を当てはめている。法輪功の核心は自己改善と反省を重視する修養法で、悟りの追求という伝統に基づいている。他者と修煉の利点を共有し、中国共産党政権の宣伝に対処する。いっぽう、特定の学習者や神韻の観客を理由もなく排除するような教えはない。

  2. 中国共産党の宣伝と類似した描写

    法輪功の病気とカルマ(業)に関する見方は仏教にある。多くの学習者、神韻のアーティストを含め、様々な病気に対して医療を受けており、それを示す医療記録も存在する。NYTの記事は、神韻がパフォーマンスの質を重視する一方で、ケガをした出演者に公演を続けさせているという矛盾した主張をしているが、これは事実ではない。

    また、元アーティストが報復を恐れて批判をしないという主張もあるが、25年以上の迫害の中で、法輪功学習者は一貫して非暴力を貫いている。法輪功の教えでは、修煉は常に自発的であるべきで、強制は無意味だとしている。

  3. カルト否定に関する専門家の見解を省略

    NYTは法輪功が「カルトであることを否定している」と述べるだけで、それ以上の情報を提供していない。実際には、中国の宗教に関する著名な専門家たちも、法輪功が新しい宗教運動であり、「カルト」というレッテルは中国共産党が迫害を正当化するために使ったものだと指摘している。

  4. 迫害の深刻さを過小評価

    NYTは中国での法輪功迫害の規模を「多くの」という曖昧な表現で片付けている。専門家の推計では、数十万から数百万人の法輪功学習者が拘束されている。また、神韻芸術団への妨害についても、38か国以上で130件以上の検閲や妨害があったにもかかわらず、1件の事例しか報じていない。

  5. 臓器収奪の証拠を無視し、中国政府の主張を鵜呑み

    NYTは法輪功学習者からの組織的な臓器収奪を否定する少数意見を取り上げる一方、この問題を指摘する多数の研究者や人権団体、さらには国連や各国議会の見解を無視している。

    2015年に中国が死刑囚からの臓器摘出を禁止したという主張をNYTは疑問視せずに報じている。しかし、NYTの元北京特派員は以前、2016年時点で中国の医師たちは「死刑囚からの臓器摘出を禁止を知らなかった」と報じた。

法輪大法インフォメーションセンターのブラウダ氏は「NYTの報道には重大な省略と不正確さがあり、記者たちの客観性と公平性に疑問を投げかける」と批判する。

NYTの報道姿勢は中国共産党の宣伝戦術と類似点があるという指摘もある。1990年代、中国メディアは法輪功を賞賛していたが、弾圧開始後は一転して批判に転じた。NYTの報道もこの手法に似ているという。

最近の報告では、中国の公安部などが法輪功を「消滅させる」ための新たな情報戦を開始したことが明らかになった。この作戦には、海外メディアへの偽情報の流布も含まれているという。ある内部情報筋は、「中央国家メディアのリソース、大学のシンクタンクなどを動員し、法輪功に関する中傷的な情報を海外メディアと積極的に共有する」ことが、この新たな「攻勢」の重要な要素だと述べている。

ブラウド代表は「読者には報道の手法を見抜き、公平な目で法輪功コミュニティを見てほしい」と語る。