米国で法輪功を標的にした中国共産党工作員2人に実刑判決
米国に帰化した陳軍(左)と李平(中国語名リ・ピンの音写)(右)は、米国で法輪功学習者を標的とする国境を越えた弾圧活動を行ったとして、2024年11月に実刑判決を受けた。彼らの行為には、中国共産党のための情報収集や贈賄計画も含まれていた。(情報源:ラジオ・フリー・アジア、ピネラス郡保安官事務所)
2024年11月、米国に帰化した2人の米国市民が中国共産党の工作員として米国内の法輪功学習者を標的とする国境を越えた弾圧工作を行ったとして、実刑判決を受けた。
そのうちの一人、59歳のフロリダ州在住で長年ベライゾンの従業員であった李平(中国語名リ・ピンの音写)は、11月25日に懲役4年の判決を受けた。李平には、法輪功学習者を含む米国内の中国反体制派に関する情報収集で中国国家安全部(国安部)を支援した罪で有罪判決が下った。彼はまた、自分の雇用主から持ち出したサイバーセキュリティのトレーニング資料を国安部に提供していた。
もう一人の陳軍(72)は、法輪功学習者が設立した団体の非課税非営利資格を剥奪することを目的とした贈賄計画に関与したとして、禁固20ヶ月の判決を受けた。2023年1月から5月にかけて、陳軍は中国共産党幹部の指示のもと、国税庁職員と称する人物に5万米ドルを贈賄した。陳軍は中国国籍で米国永住権保持者の林峰と共に行動し、2024年9月26日に懲役16ヶ月の判決を受けた。
海外の法輪功を標的に
これらの事件は、世界中の法輪功学習者を標的にした、より広範な国境を越えた弾圧キャンペーンの一環である。2024年6月と7月、法輪大法情報センターは、公安部と国営シンクタンクの内部会議と報告書のリーク文書を入手した。これらの文書には、政権が法輪功を世界的に「抹殺」する戦略をエスカレートさせる計画であることが明記されており、特に米国に焦点が当てられていた。(関連記事)
反法輪功ユーチューバーの支援、海外メディアを通じた虚偽のシナリオの流布、法輪功コミュニティ内に組み込まれたスパイの活動など、今後予定されている戦術が詳細に記されていた。その後の現実世界での出来事は、これらの計画と一致している。そしてXアカウントへのなりすまし、ネット上での嫌がらせ、致命的な暴力の脅迫など、さらにエスカレートしている。
中国スパイ、フロリダ州で有罪判決
李平は、8月の公判で少なくとも2012年以降、中国共産党政権の諜報員として活動することを共謀したことを認めた。彼は国安部の役人の指示の下、協力的な連絡役として、中国共産党政権にとって関心のある情報を収集していた。
李平は、反体制派中国人、民主化支持者、法輪功学習者、米国を拠点とする非政府組織に関する詳細を含む幅広い情報を収集し、国安部に報告した。また、雇用主から得た機密情報も共有していた。李平は秘密保持のため匿名のオンラインアカウントを使って国安部と連絡を取り、国安部の役人と会うために中国を訪れた。
裁判所に提出された書類によると、2012年の李平の初期の任務のひとつは、法輪功学習者が中国政府高官に対して起こす予定の訴訟に関する情報を集めることだった。
2013年4月、中国共産党の役人が李平に、法輪功に関する本を書いた2人のイスラエル人作家の公開情報とソーシャルメディアのハンドル名を送るよう指示した。2014年9月までに、李平は米国内の法輪功学習者を調査する任務を負った。その役人は、中国湖北省出身の法輪功学習者の略歴、カリフォルニア州の住所、電話番号、車の車種などを彼に提供した。李平はさらに、この人物がカリフォルニアの中国領事館の前で抗議したことがあると国安部に伝えた。
失敗した法輪功「打倒」の試み
2023年5月14日、陳軍と林峰は、国税庁職員を装ったFBIの覆面捜査官と面会した。二人は、法輪功学習者による団体を監査する見返りとして捜査官に合計5万ドルを支払うことを約束した。陳軍はこの会談で、最初の支払いとして現金1千ドルを渡し、今後の会談でさらに支払うことを約束した。陳軍はまた、非課税資格剥奪の申し立てが成功した場合、国税庁から内部告発者への賞金の60%を代理人に支払うことも約束した。
5月18日にジョン・F・ケネディ国際空港で行われた2回目の会合で、林峰は覆面捜査官に現金4千ドルの賄賂を贈り、計画を進めた。公開された訴状によると、陳軍は中華人民共和国への旅行中に中国共産党から賄賂としての資金を得ていた。同じ頃、陳軍と林峰はそれぞれ2万5千ドルの3回目と4回目の支払いを保証し、陳軍は追加の資金を確保するために中国に戻る予定だった。林峰は陳軍の帰国後、ニューヨークへ費用を届ける任務を負っていた。
録音された陳軍の会話から、このキャンペーンの背後にある悪意が明らかになった。それは米国内の法輪功学習者を弾圧し、脅迫することを目的としていた。彼は中国共産党の協力者を「血の兄弟」と表現し、「我々は20年、30年前から(法輪功の創始者と)闘い始めた。彼らは常に我々と共にある」と言った。
さらに、林峰氏の保釈に反対する検察側の準備書面では、陳軍と林峰は共にニューヨーク州オレンジ郡の法輪功学習者を監視するためにニューヨークを訪れたという。彼らは、この地域の法輪功コミュニティの発展を妨げるために計画された環境訴訟の可能性を裏付ける情報を収集した。
陳軍は中国共産党の忠誠者として知られており、ロサンゼルスで最も露骨な反法輪功コミュニティ指導者の一人である。中国共産党の胡錦濤前国家主席や習近平現国家主席と面会したことがあり、ロサンゼルスの中国領事館と密接な関係を誇っている。
中国共産党工作員への警告
これらの判決は、中国共産党が国境を越えてその勢力を拡大しようとしていることを浮き彫りにしただけでなく、同じような国境を越えた弾圧活動を行っている可能性のある中国共産党の工作員に対する明確かつ確固たる警告でもある。
陳軍、林峰そして彼らの協力者たちに対する有罪判決は、反体制派を弾圧し、標的とするコミュニティを威嚇するであろう。あるいは米国の内政に干渉しようとする外国の諜報員を特定し、起訴され、その責任を追及することを米国は約束するという明確なメッセージを発している。さらに、テキサス州知事のグレッグ・アボット氏は2024年11月18日、中国共産党によるテキサス州民への嫌がらせに対して、外国の影響力に対抗する州の防衛を強化し、市民の権利を確実に守るための行政命令を発出した。
実際、彼らのケースは、法輪功学習者や反体制派中国人を黙らせることを目的とした外国による影響力の行使を米国が深刻に受け止めていることを強調している。中国共産党が華僑をコントロールし、黙らせようとする試みは野放しにされることはないだろう。これは、現在も米国で弾圧活動を平然と行えるという信念のもとに活動している諜報員にとって、説明責任が不可避であると警告するものである。
英語原文:https://faluninfo.net/two-ccp-agents-sentenced-for-targeting-falun-gong-in-united-states/