地方議員ら 独ベルリンの中国大使館へ 投函
駐日中国大使館への忠告書の英文に4人が署名
去る9月5日、東京の六本木にある中国大使館前で読み上げた後、同大使館に投函した「忠告書」の英訳版に地方議員ら4名が署名。9月11日に東京中央郵便局から駐ドイツ中国大使に向けて投函し、PDF版をメールで送信した。
駐ドイツ中国大使への書簡の投函は、中国で迫害されている両親の救出を国際的に呼びかけるドイツ・ベルリン在住の丁楽斌(ディン・ラビン)さんのキャンペーンの一環。これまでも、ドイツ、フランス、チェコ、スロバキアの各国の要人が書簡を投函している。また、ドイツでは、駐ドイツ中国大使の住所が印刷された絵葉書に署名して投函してもらうキャンペーンも展開されている。
日本からの手紙には、臓器収奪を裏付ける事実が詳細に記載されている点が、これまでの書簡とは大きく異なる。楽斌さんは世界のVIPに呼びかける上で、日本からの英語版を参考にしたサンプルを作成している。
また、今回の英語版作成にあたり、楽斌さんから「両親の救出だけではなく、拘束されている法輪功学習者全てを無条件で即時に釈放することを要請して欲しい」と要望があった。人権問題全般に及ぶキャンペーンへと着実に発展している。
以下は、駐ドイツ中国大使館 呉 懇 大使に宛てた英文の邦訳。
英語原文はこちらへ
ーーー
忠告書
「法輪功迫害を追跡調査する国際組織(WOIPFG)」の調査によると、令和5年5月12日、中華人民共和国山東省日照市 前書記の張恵(ジャン・フイ)氏と日照市公安局長の李剛(リ・ガン)氏、日照市五蓮県公安局長の厲江(リ・ジアン)氏の関与により、山東省日照市において法輪功学習者約70名以上が違法に逮捕された。
その時、丁元徳(ディン・ユアンデ)さんと妻の馬瑞梅(マ・ルイメイ)さんも、法輪功学習者であるという理由だけで違法に逮捕された。後日、馬瑞梅(マ・ ルイメイ)さんは「保釈」されたが、厳しい監視下に置かれている。法輪功迫害開始24 年目にあたる7 月20 日、日照市東港区警察署は、丁元徳(ディン・ユアンデ)さんの逮捕状を正式に発行した。6月13日以降、丁元徳(ディン・ユアンデ)さんは日照市看守所に拘禁されており、家族は元徳(ユアンデ)さんに会うことが許されていない。
日照市 前書記の張恵氏は、中国のウェブサイト上のプロフィールによると、日照市軍分区第一党 党委員会書記も兼任していた(張恵氏は現在、青島市 党委員会 副書記)。張恵(ジャン・フイ)氏の軍とのつながりから、ドイツに住む息子の丁楽斌(ディン・ラビン)さんは、両親が行方不明になった時、拷問だけでなく、生体臓器収奪の犠牲者になる可能性を深く懸念した。
ドイツの丁楽斌(ディン・ラビン)さんは、ここ4ヶ月間、中国共産党による中国本土での自分の父親や学習者への迫害を止めるよう、勇気を持って国際社会に呼びかけ、国際社会から支援されてきた。
カナダの人権弁護士デービッド・マタス氏らの調査により、中国で監禁された法輪功学習者から臓器収奪が行われ、年間6万から10万件の違法な臓器移植が行われていることが明らかになった。
また、旧ユーゴスラビアの国際戦犯法廷でスロボダン・ミロシェヴィッチ元セルビア大統領の起訴を率いたジェフリー・ナイス卿を判事団長として、英国ロンドンで開かれた「中国(臓器収奪)法廷」は、「中国において臓器移植のために無実の囚人が殺害されることが続いており、その主な犠牲者は法輪功学習者である」とし、中国は法輪功学習者及びウイグル人に対して、「人道に対する罪」を犯していると結論付けている。
さらに、国連特別報告者と専門家が、法輪功学習者やキリスト教徒などの良心の囚人、そしてウイグル人、チベット人、イスラム教徒などの少数派からの臓器収奪に非常に危機感を募らせていると声明を発表し、昨年8月末には、バチェレ国連人権高等弁務官が中国・新疆で「深刻な人権侵害があった」と報告した。これらの事実を踏まえ、中国政府に次のことを強く求める。
・被害者の大半を占める法輪功学習者、また、キリスト教徒やイスラム教徒、そして、ウイグル人やチベット人などの民族を含む中国で拘束されている全ての少数派への弾圧や監禁、虐待を今すぐ中止し、人権を守ること。
・少数民族の持つ固有の言語や文化、歴史を保持すること。
・再教育機関と称する大規模な強制収容所に収容されている全ての人を今すぐ開放すること。
・中国共産党による強制臓器収奪をやめること。
・中国山東省(特に丁元徳さんと妻の馬瑞梅さんを含む日照市)の法輪功学習者への迫害をやめること。
・丁元徳さんを含む逮捕された法輪功学習者全てを無条件で即時に釈放すること。
・ドイツにいる息子さんと合流できるように、丁元徳さんと妻の馬瑞梅さんにパスポートを与えること。
皮肉にも中国の古典、易経に「積善の家には余慶あり、積不全の家には余殃あり」との言葉がある。今、中国は分水嶺に立っている。歴史上類を見ない人類史上最悪のジェノサイドを続けて国を亡ぼすのか、あるいは、国連の常任理事国として、人権を尊重し誰からも尊敬される立派な国になるのか。日出国よりここに忠告する。
令和5年9月5日
中華人民共和国 習 近平 国家主席 殿
駐ドイツ中国大使館 呉 懇 大使 殿
SMGネットワーク臓器移植を考える全国地方議員の会
逗子市議会議員 前(63回)議長 丸山治章
前・綾瀬市議会議員 笠間昇
茅ヶ崎市議会議員 水島誠司
SMGネットワーク事務局長 根本敬夫
ーーー
東京中央郵便局に投函する根本敬夫氏