心理的な虐待

法輪功修煉者に信念を放棄させ、当局に協力させることは、当初から中国共産党の運動の中核となる目的でした。

1週間以上の睡眠を剥奪、性器に電気ショックを与えられるなど、あらゆる肉体的拷問には精神的な要素も含まれます。法輪功修煉者は心理的な迫害の標的にもされてきました。洗脳と心理的な拷問の2つの形式があります。

洗脳は広域に見受けられます。中国本土の22の省のうちの21の省、5つの「自治区」のうちの4区に洗脳施設があり、省、市、県区、町村の各行政レベルで運営されています。洗脳施設のほうが、刑務所・強制労働所・精神病院より過密な状態で収容されていると、ある分析は指摘しています。

再教育

洗脳にはしばしば肉体的拷問が伴います(「拷問」参照)。「転向」つまり精神修養を放棄するまで修煉者の思想を組み換えることが目的です。3つの「保証」に署名すれば苦しみから解放されると、当局は修煉者に約束します。― 法輪功への「正しい」理解を示し、二度と陳情しないと約束し、法輪功を修煉する友達や家族の情報を明らかにするという3つの保証です。

精神的な苦悩はここで終わるわけではありません。転向した修煉者は直ちに法輪功への信念を放棄させられるだけでなく、反対の立場に立つよう強いられます。一度、転向声明に署名すると、修煉者はしばしばテレビカメラの前に連れて行かれ、法輪功への「新たな理解」を書いた声明を読むように求められます。この声明は、中共のプロパガンダに使用されます。声明文が十分に悔い改めるものでなく、法輪功と創始者を十分に蔑視していない場合は、同じ工程が繰り返されます。

「転向」した修煉者はすぐに、他の修煉者を積極的に転向させる義務を課されます。特に転向させる能力に優れた者は、転向を助ける「語りかけツアー」のために、他の刑務所や強制労働所に連れ出されます。特に傑出した者は法輪功に対する国際的な認識を変えるために利用されます。中華人民共和国の外交官が米国在住の藤春燕さんを連れて議員会館を訪れたことはこの一例です。

修煉者の信念を折る方法

長期にわたる洗脳を受けて、しばしば精神的な恐怖感を抱くようになった法輪功修煉者の体験談から、中共幹部による洗脳方法がより巧妙になってきたことが明らかになりました。しかし、一貫して用いられる基本的な拷問方法に変わりはありません。

  1. 独房または犯罪者と監禁する。
  2. 衣服を剥ぎ取り、自尊心を傷つけ、「自分は大罪を犯した犯罪者であり、危険な精神的な問題を抱えている」と頭に植え付ける。
  3. 何日にも及ぶ睡眠剥奪。寝てしまったら殴打または騒音で起こす。時間の感覚を失うか、自分の詳細がわからなくなるまで続ける。
  4. 1日10時間、法輪功、特に創始者・李洪志氏を中傷するビデオを強制的に見せる。最大音量でビデオを再生し、目をそらさせない。
  5. 釈放の唯一の道は、3つの「保証」に署名することであり、そうすればすべてが終わると説得する。 
  6. 親、子供、兄弟を連れてきて、本人の前で泣いたりひざまずかせたり、家に戻るよう嘆願させる。配偶者に離婚を迫らせる。
  7. 恐喝する。必要とあれば、仕事や年金を失わせ、大学の在籍を取り消す。家族も給与や教育の機会を失うと脅迫する。
  8. 転向への道が開けるように、転向した修煉者(以前に親しかった者が理想的)を連れてくる。1対1のセッションと多くが同時に話すセッションを交互に設ける。
  9. ブランチ・ダビディアン、オウム真理教、他の「カルト」に対して、国際的な合意があり、法輪功は世界で禁止されていると告げる。最初は受け入れないかもしれないが、数週間、数ヶ月にわたり、この情報を毎日数百回繰り返す。
  10. 修煉者に法輪功に代わる別のイデオロギーを植え付ける。(雷鋒の物語や毛沢東選集などを読ませ)マルクス主義を試す。効果がなければ、聖書、仏典などに移行する。
  11. 殴打する。
  12. 「すべては君のためだ」と言い聞かせる。

上記には、別のセクションで詳述されている肉体的な虐待性的暴行は含まれていません。また、向精神薬に関しては下記に詳述します。

ワシントンポスト紙のジョン・ポムフレット氏とフィリップ・パン氏は、法輪功修煉者の信念を折るために、いかに精神的な拷問と身体的な拷問の組み合わせが用いられるかを、生々しく説明しています(「ニュース」参照)。拷問を経た者は「精神的な抹殺」と述べています(「証言」参照)。

洗脳クラスから釈放されると、修煉者と家族はしばしば、洗脳クラスの滞在費(授業料・部屋代・宿泊費)を遡って払わされます。精神病院で拷問を受け、得体の知れない向精神薬を注射された法輪功修煉者は、数千人に上ります。

しかし、これらの強制転向は、修煉者にとって苦しい過程ではありますが、まったく功を為さないことが証明されてきました。家に戻り、過酷な体験から立ち直ると、多くは法輪功をまた始めます。

「法輪功を強制的に批判させられた声明文を無効にする」とオンラインで声明を発表する者もいます。