2024年のまとめ:中国政権による法輪功迫害、5つの重要な動向

2024年、中国に関する報道は、経済的な困難と高騰する失業率で占められていた。中国が反体制派に対し、国境を越えて弾圧している事実の暴露や北米とヨーロッパにおける中国の工作員の逮捕は、国際的に注目された。一方、中国共産党の法輪功学習者に対する迫害は25年目を迎え、中華人民共和国は迫害の国境内外での取り組みをさらに強化した。

中国国内では、治安当局が全国規模で法輪功学習者を恣意的に逮捕、拘留、拷問、失踪、殺害し続けた。中国政権と工作員は、脅迫や偽情報の流布を世界的な規模に強化し、法輪功学習者とその支持者を標的に前例のない戦術を展開した。

過去1年を振り返り、法輪大法情報センター(FDIC)のリサーチャーたちは、2024年における5つの主要な動向を特定した。さまざまな関係者がどのように対応し、また迫害がどのように変化したかを明らかにした。

  1. 中国国内の迫害で100人以上の法輪功学習者が死亡。少なくとも17人は拘束中に殺害。
  2. 法輪功学習者540人以上が実刑判決、5,600人余りが拘束され嫌がらせを受ける。特に中華人民共和国建国記念日前に迫害が激化。
  3. 臓器摘出された唯一の生存者が公の場に。報復にも直面。
  4. 法輪功を標的にした前例のない世界的キャンペーン。
  5. 画期的な法律制定、起訴、公的声明が、法輪功コミュニティ保護への国際的な支援を示す画期的な法律制定、起訴、公的声明。

1.  中国国内での迫害で100人以上の法輪功学習者が死亡。少なくとも17人は拘束中に殺害。

2024年、迫害により死亡した法輪功学習者の写真。出典 Minghui.org

2024年、中国全土の法輪功学習者は、中国警察の拘束下で致命的な暴力に直面し続けている。また、釈放後に拘束中に受けた傷害が原因で命を落とす状況も続いている。

中国国内の市民ジャーナリストのネットワークが収集した海外のウェブサイト『明慧ネット』と共有した情報によると、2024年には少なくとも164人の法輪功学習者が迫害の結果死亡したと報告されている。その内訳は、2024年は103件、過去に発生し2024年に報告された事例が61件である。中国政権の厳しい検閲により、裏付けの取れた正確な情報を得る上で時間がかかるため、2024年のさらなる死亡事例が、今後数週間から数ヶ月の間に報告される見込み。

164人の犠牲者のうち、ほぼ3分の2が女性(105人死亡)、59人が男性で年齢は、40歳から91歳だった。死亡者は25の省、市、自治区にまたがっており、遼寧省では25人と最も多かった。犠牲者のうち少なくとも149人は、違法な投獄、拘束、洗脳セッション、精神病院での監禁に耐え、全員が中国当局による嫌がらせや迫害に直面していた。17人の学習者が拘置所や刑務所で拘束中に死亡し、親族から拷問の兆候があったと報告されている。他の死亡者は、拘束から解放された直後や、拘留中に受けた拷問やその他の虐待による傷害に長年苦しんだ末に命を落としている。

2024年の中国での迫害における省別の法輪功学習者の死亡件数

遼寧省朝陽市の高齢の法輪功学習者、劉殿元さんは、78歳で懲役11年の判決を受けた。8年間の刑罰に耐えた後、2024年の旧正月に瀋陽第一刑務所で86歳で亡くなった。報道によれば、劉さんは亡くなる1年前から重度の障害を負い、介護が必要な状態だったという。危篤状態であったにもかかわらず、刑務所は医療仮釈放を拒否し、最終的に獄中死となった。

2024年12月31日現在、明慧ネット(Minghui.org)によると、1999年7月以来、法輪功学習者5,167人が迫害により死亡した。致死的な迫害は、中国の治安当局が法輪功を修煉する個人に対し行った広範な迫害キャンペーンの中で最も極端な側面を示す。しかし、包括的なデータの収集は困難であり、特に臓器収奪を含む事例については難しいため、実際の死亡者数はこの数字をはるかに上回る可能性が高い。

2.  法輪功学習者540人以上が実刑判決、5600人余りが拘束され嫌がらせを受ける。特に中華人民共和国建国記念日前に迫害が激化。

2024年を通じて、法輪功を修める中国市民は、信念と表現の自由の権利を行使しただけで大規模な拘束、起訴、長期服役に直面した。法輪功学習者は依然として中国最大の良心の囚人に挙げられる。毎日のように新たに逮捕され、見せかけの裁判が行われている。


2024年には、少なくとも541人の法輪功学習者が、明らかに適正手続きを無視した裁判の結果、最長13年の刑期を宣告された。さらに明るみに出た223件の事例は、2024年より前にすでに有罪判決が言い渡されていた。判決を受けた者の年齢層は29歳から94歳に及ぶ。

これらの学習者の多くは高齢者であり、長期にわたる迫害は事実上、死刑宣告に等しい懲役刑ということになる。例えば、2024年5月20日、山東省莱州市の7人の住民は、法輪功の書籍を学び、法輪功関連資料の制作拠点を運営したとして、実刑判決を受けた。その中で、最も厳しい罰を受けのは、73歳の林洪傑さんで、8年の刑期と4万元(約80万円)の罰金が科された。

2024年には、少なくとも5,692件の法輪功学習者の逮捕と嫌がらせを受けたことが記録された。迫害は30の省・自治区・市に及んだ。これらの事例には、2,828件の連行、2,864件の嫌がらせ、1,553件の家宅捜索、74件の洗脳センターへの拘留、40件の強制移住、64件のDNAや骨髄採取を含む採血が含まれる。修煉者本人を標的にするだけでなく、その家族にまで迫害が及ぶことも多い。

黒龍江省牡丹江市に住む70代の法輪功学習者、徐国芹さんがその一人。彼女は2024年9月下旬、法輪功の資料を配布した罪で判決を受けることを避けるため、家を離れることを余儀なくされた。留守中、警察は娘を逮捕し、徐さんに自首を強要した。警察の行為に憤慨した徐さんの夫は脳卒中で倒れ死亡。夫が亡くなったにもかかわらず、地元の拘置所に連行された徐さんは葬儀に参列する機会も与えられなかった。

中華人民共和国建国記念日前の弾圧: 2024年10月1日、中国共産党は毛沢東が1949年に中国の建国を宣言してから75周年を迎えた。この政治的に重要な日は、歴史的に反対意見に対する抑圧措置が強化されてきた。2024年も例外ではなく、弾圧行為の特徴は恣意的な拘束や嫌がらせであり、異論を唱える個人やグループを標的とした監視が強化された。主なターゲットは法輪功学習者であった。

明慧ネット(Minghui.org)のデータによると、2024年9月、28の省・自治区・市で552件の逮捕・嫌がらせ事例が報告された。逮捕件数が最も多かった場所は北京市(31件)、嫌がらせが最も多かった場所は河北省(60件)だった」。被害者の年齢は60歳から87歳と幅広く、少なくとも71人が70歳以上であった。

中国共産党第75回中華人民共和国建国記念日までに、法輪功迫害が最も多く発生した28の省・市・自治区を視覚的に示した地図。

上海からの報告によると、2024年9月末にかけて監視活動が極度に増加している。法輪功学習者への監視は、監視チームが24時間体制で継続的に監視している。上海の法輪功学習者、李紅(Li Hong)さんは、9月27日に外出した際、自転車や車で尾行されており、自宅マンションのエレベーター付近に監視員がいることに気づいた。少なくとも1件の事例では、警察が9月30日から10月7日まで、陳平(Chen Ping)さんという法輪功学習者を監視すると明確に通告している。これらの事件は、政治的に敏感な時期に法輪功学習者に対する監視が強化されるという長年のパターンを反映している。(英語の2024年報告書)(日本語記事

3.  臓器摘出された唯一の生存者が公の場に。報復にも直面。

中国で良心の囚人として捉えられていた程佩明(チェン・ペンミン)さんは、米国に亡命した。2024年、公の場で自身の恐ろしい体験について語った。肝臓と肺の一部が摘出されたたというもので、医療専門家によって信憑性があると認められた。法輪功学習者や他の良心の囚人が、中国での潤沢な移植産業に利用された事実、それが現在も続いているという証拠(英文:米議会人権委員会の記録)が増え続ける中で、彼の証言はさらに貴重な証拠となった。

2024年8月9日、程氏は、元米国政府高官と数人の人権擁護者に付き添われ、ワシントンで記者会見をした。2004年11月16日に、法輪功を修めているという罪で、黒竜江省大慶市の大慶刑務所に収容された時の出来事を詳細に語った。6人の刑務官により中国の病院で強制的に拘束され、自分の意思に反して麻酔をかけられたと証言した。

3日後、程さんは意識を取り戻した。右足を病院のベッドに縛り付けられ、片腕に点滴を打たれ、胸、鼻、足にチューブを入れられている状態だった。咳が止まらず、激痛が走り、胸郭の左側がしびれていた。

2020年に米国に亡命した程さんは、一連の健康診断を受け、恐ろしい事実を知らされた。肝臓の一部(英文:肝臓の専門家の意見)と肺の左下葉の約半分(英文:肺の専門家の意見)が、本人の同意なしに手術で切除されていたのだ。

会議では、3人の移植専門家が程さんの胸部CTスキャンについて専門家の意見を発表し、これらの臓器が強制摘出されたことを確認した。程さんの救出に重要な役割を果たしたロバート・A・デストロ元国務次官補は、中国における臓器収奪の深刻さを強調し、重大な人権侵害であると述べた。程さんの証言は、中国共産党による臓器摘出の下で行われている残虐行為を浮き彫りにし、この深く厄介な問題にさらなる光を当てた。

2024年8月9日、ワシントンD.C.での記者会見で、同意なく臓器を摘出された経験を語る程佩明さん(中央)。出典:Minghui.org

程さんの証言(英文:マタス人権弁護士によるインタビュー)は広くメディアの注目を集め、国際的に認知された。8月だけでも、少なくとも36の報道機関が、程さんが中国共産党による臓器収奪を受けていたことを詳しく報じた。8月10日付の『ディプロマット』紙は、程さんの証言は、中国における良心の囚人 ー 特に法輪功学習者 ー が常に直面している恐怖について、不穏な事実を提示する希少な機会だと報じた。(英語記事の原文

中国政権は、程氏の証言の信用を失墜させ、彼を沈黙させるようと積極的に行動している。2024年10月24日、天津市公安局のウェブサイトには、中国共産党下の「中国反邪教協会」の記事を掲載(英語:関連記事)。程さんが自分の体験を捏造していると虚偽の告発する内容で、程さんの証言を覆そうとするもの。このプロパガンダ記事は、「中国青年報」などの国営メディアに再掲載された。

中傷キャンペーンに加え、程さんは何度も命を狙われ、身の危険を脅かされてきた。中でも最も憂慮すべき事件は2024年11月2日、午前4時から6時の間に正体不明の人物が彼の家に押し入ったことである。程さんはまた、裏庭に続く深いタイヤの跡を発見した。不審なことに、午前1時12分から午前6時18分まで、程さんの家の防犯カメラと警報システムは停止していた。(日本語記事

中国での臓器収奪を長年調査してきたデビッド・マタス国際人権弁護士は、程さんのケースの意義について次のようにコメントしている。

程氏の肝臓や肺の一部が欠損しており、否定しようのない事実であることから、自身が臓器収奪の被害者であると主張できる。この事実は、この種の虐待においてこれまで存在しなかった視覚的な要素と「語る被害者」が現れたことを意味する。

4.  法輪功を標的にした前例のない世界的キャンペーン

2024年、法輪功学習者に対する中国共産党の長年にわたる国境を越えた弾圧キャンペーンをエスカレートさせた。この動きは、海外の法輪功コミュニティの信用を失墜させるために計画的に実行されたと見られる

法輪大法情報センターでは、2024年1月以来、匿名の殺害予告、怪しげな主流メディアの記事、ソーシャルメディアへの投稿、根拠なく虐待や環境破壊を主張する訴訟、米国政府機関への賄賂などの試み、法輪功学習者になりすました詐欺メールなど、数十件の事件を記録している。(英語の報告書

漏洩された内部情報によると、キャンペーン強化の指令は中国共産党のトップから発令されている。2022年、中国共産党の習近平総書記は海外で法輪功に対する取り組みを強化するよう呼びかけたとされる。習近平総書記の指令は、2つの核心戦略を強調していた。法戦(ターゲットに負担をかけ、信用を失墜させるために、根拠のない訴訟を戦略的に提起すること)と偽情報(特に、追跡不可能なソーシャルメディアアカウントと主流メディアを活用し、法輪功の評判を中傷すること)である。(英語の関連記事

キャンペーン実行に際し、習近平は安全保障機関を監督する党の政法委員会(PLAC)に指導権を委ねた。実際、他の内部情報筋によれば、この取り組みは政法委員会の下で運営されている国家機関である国家安全部と公安部の共同事業であり、国家安全部の陳一新大臣が指揮を執っているとみられている。

2024年6月以来、FDICは中国の安全保障機構から内部情報を入手し、これらの戦略を実行するために展開されるさまざまな戦術の概要を明らかにしてきた(英語の報告書)。中国公安部の2024年6月の会議録からの注目すべき抜粋は、政権の目的と方法を強調している。

「影の工作員を動員し法輪功の内部対立を作り出し、エスカレートさせ、[法輪功と神韻を標的にするソーシャルメディアのインフルエンサー]の戦闘力、深度、影響範囲をノンストップで拡大させる……米国社会全体の注目を継続的に集め、米国政府にあらゆる面の攻撃を強いることで、法輪功の勢力を排除すべきである。」

中国共産党政権は、「ソーシャルメディア」「脅迫」「訴訟」「メディア操作」「米国政府への賄賂や苦情提出」「法輪功学習者のなりすまし」という6つの分野で米国の法輪功学習者をおとしめる戦略を発動した。2024年には数十件の事例が記録されている。

5. 画期的な法律制定、起訴、公的声明が、法輪功コミュニティ保護への国際的な支援を示す画期的な法律制定、起訴、公的声明。

中国の激しい外交的な圧力にもかかわらず、2024年には民主主義国家の政府や選出された代表者、その他の著名な人物が結集し、法輪功学習者への迫害を非難し、加害者を罰し、法輪功学習者の基本的権利を擁護する行動を取った。

法輪功迫害25周年の7月を前後して、多くの政府関係者が法輪功学習者との連帯を表明し、中国共産党による弾圧の停止を呼びかけた。米国では、超党派の議員、国務省、在中国米国大使館が、法輪功学習者の強靭さを称賛し、中国共産党の行動を非難する公開声明を発表した。駐中国米国大使の英語と中国語によるツイートは、数百の「いいね!」と数百万の閲覧数を記録した。また、ラジャ・クリシュナモオルティ下院議員(民主党)やダン・ニューハウス下院議員(共和党)を含む議会議員は7月20日、迫害に対する正式な非難声明を発表した。パット・ライアン下院議員(民主党・ニューヨーク州)は7月11日にナショナル・モールで開催された集会に参加し、中国共産党による25年にわたる法輪功迫害キャンペーンの集結を訴えた。(公開声明に関する英語記事

2024年7月11日、ワシントンのナショナル・モールにて、中国共産党による25年にわたる法輪功学習者への迫害の終結を求める集会でスピーチするパット・ライアン下院議員(民主党・ニューヨーク州)。(写真:Madalina Vasiliu/The Epoch Times)

法輪功学習者も世界中から草の根の支援を受けた。何万人に上る人々が、法輪功学習者が直面する強制労働、拷問、臓器収奪などの人権侵害に対する認識を高めるために、集会、パレード、デモなどの平和的イベントに参加した。

しかし、最も注目すべきことは、中国共産党の国境を越えた弾圧と法戦術から法輪功学習者の権利を守るために、民主主義国家の議会によって提出または採択された複数の法案と法執行機関が取った行動だ。

欧州議会の決議 :1月18日、欧州議会は中国共産党による法輪功への迫害を非難する決議(邦訳)を採択した。特に丁元徳(ディン・ユアンデ)氏の事例を挙げ、拘束されているすべての学習者の無条件釈放を要求し、中国共産党の法輪功に対する迫害キャンペーンを停止するよう求めた。

米国・法輪功保護法案: 6月、米国下院で法輪功保護法案が通過。臓器収奪に関与する個人、特に法輪功学習者を迫害する個人を対象に、制裁を課すものである。上院での進展は妨げられたが、法輪功学習者を保護するために提出された初の拘束力のある法案として重要な意義を持つ

オーストラリア上院法案: 8月21日、オーストラリア上院は、違法な臓器売買と生存する個人からの臓器収奪を撲滅することを目的とした法案(英語関連記事)を可決した。

法輪功を標的にした中国の工作員の有罪判決 :2024年、米国で起訴された少なくとも3人の男性は、中国の工作員として行動し、神韻と法輪功を標的に監視、情報収集、積極的な妨害工作を行ったとして有罪判決を受け、16ヶ月から4年の懲役を言い渡された。米司法局のリンク

結論

2024年7月、中国共産党が法輪功撲滅のための暴力的な弾圧を開始してから25年が経過した。致命的な拷問を受ける危険性があるにもかかわらず、数千万がいまだに中国で法輪功を修めており、政権の迫害キャンペーンは明らかに失敗している。しかし、中国共産党の指導者たちは、この迫害が不当であることを認める代わりに、法輪功の中傷と根絶にさらに多くのリソースを投入し、中国国内だけでなく世界的にも迫害を強化する方針を取っている。しかも、その手口はより巧妙で隠密かつ操作的になっており、西側諸国の政府や一般のニュースを見ている消費者にとって、事実を知り虚偽を拒絶することは、より困難なものとなっている。

今後、中国の人権状況や海外での影響工作を分析するオブザーバーやアナリストは、より深く掘り下げ、表面的な現象の背後を見極め、中国内外の法輪功学習者が直面している現実をよりよく理解することが重要である。法輪大法情報センターは、このような動きを監視し、中国共産党による法輪功に対する弾圧を明らかにすることに全力を尽くしている。

英文元記事:https://faluninfo.net/2024-year-in-review-five-key-developments-in-the-chinese-regimes-persecution-of-falun-gong/